踏み台の女神
「神様がね、最近様子がおかしいの」


空高く昇った半月を眺めながら、ねこさんがぽつりと言った。


「神様?」


私と安永さんが同時に聞き返すと、ねこさんは黒く澄んだ瞳をこちらに向け、真面目な顔で黙って頷いた。
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