踏み台の女神
神様も、懐かしそうにどんぐりの木を見上げた。


「本当は、私もあんまり好きじゃなかったの。


どんぐりって、味にちょっと癖があってね。

いつも2人で『美味しくないね』って言いながら食べてたの。

でもそれはそれで楽しかったな」


「多分、1人で食べてたらもっと美味しくなかったでしょうね。

その女の子も、神様と一緒だから楽しく食べられたんですよ」


神様の話を聞いて、安永さんが言った。
< 70 / 200 >

この作品をシェア

pagetop