踏み台の女神
「あのおうち可愛いね。

ほら、あの大きなおうち」


と言うねこさんの視線の先では

他よりひとまわり大きい家の屋根の上で、草に交じって咲く背の高い黄色い花が1輪、そよ風に揺れていた。


どこからか飛んできた草花の種が、屋根の上に根を下ろしたのだろう。



どこを見ても、のんびりとした心地よさに満ちている。


やはり外部とは時間の流れ方が違うようだ。
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