踏み台の女神
「そう。


ここでは時間が流れないで、堆積していってるんだよ。

しかもそれが目に見えるの」


「時間って……目に見えるとこんな感じなんだ」



足元に積もっていた時間を、手ですくってみた。


重さも感触も無く、砂粒くらいの細かい粒子のように見える。



少し観察して、それからなんとなく怖くなって、私は手のひらの上の時間を払い落とした。


時間が降り積もるとは、どういう事だろう。
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