踏み台の女神
「この街の時間は流れてないから淀んで見えるけどね。

もし、ちゃんと流れてたら、また違って見えたのかも」


「例えば?」


私の問いに、ねこさんは首をかしげた。


かわりに安永さんが

「時間が正常に流れてたら、もっと澄んで見えるのかもしれないですね。

川と同じように」

と言った。
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