「PC捜査官」
形式的な自己紹介を済まし話を進めることにした。
「それで、話した通りなんですが健太君と毎日一緒に下校してた友達なんかは…」
「そうですね……特に仲が良かったのは」
聞いた数人の名前をメモに写しておく。
「すみませんがこの子達の住所は…」
「もう調べた。行こう。」
「えっ?」
伯の言葉の意味がよくわかんなかったりするんだけどな俺は。
「名前聞いた後にPCで調べたんだよ。誰かさんが、汚い字を書いてる間に。」
「誰が悪筆だ、と言いたいところだが、それって調べて出て来るもの?」
「PCっていう現代の高度な技術進展の話を聞きたいの?理解できないのに?」
「ごめん聞きたくない。」
でも俺も現代の日本人なんだよ。
「じゃあ俺達はこれで。失礼しました。」
「あ、はい……」
校門から出て、東さんが言った。
「ちぃーっと怪しいなあのセンセ」
「そうですね。調べます?」
「いや、お前ら二人はそのガキ共当たってこい。俺があの先生を調べてくっわ。」
こうして東さんとは
別行動になった。
「ねぇ」
「ん?」
珍しく伯の方から話し掛けてきた。
「なんで怪しいと思ったの?」
どうやらあの先生の事のようだ。
「簡単だよ。あの先生、口で言ってる割には健太君を心配してなかった。その証拠に、話し始めてからは一言も健太君のことを口にしなかった。健太君のことに興味がないのか、あるいは他の気掛かりがあるのか。」
あるとしたら教え子の誘拐より大事な気掛かりはなんなのか。
「わかった?」
「ふーん、意外に刑事なんだね君。」
「意外に?」
ナニソレどういう意味?