思いが瞬を駆け抜けて~時代を越えた物語~
二章・戦国の理
幸村の片腕(?)として生活しはじめて2週間。
ここに来たときは、学校指定の制服だったけど、流石にマズイから最近は袴を履いている。
……最初、着るのに苦労したけどね(汗)
まだまだだけど、ちょっとずつ生活に慣れはじめてきた。
__幸村の父・昌幸様に新府城での籠城の件を伝えたが、その後の報告がない。
「せいっ!やあ!」
私は、中庭で木刀を振るっていた。
最低限自分を守れるぐらいの剣術を身に付けたい。
そう言うわけで暇を見つけては木刀を振るっている。
一番は戦場に立って幸村の役に立てるくらいになれれば最高だ。
……が、それ程度にはまだ及ばない。
「偉いわね。自分で稽古するなんて」
どこからか声がした。
見れば、縁側の柱の影にくの一がいた。
「沙江さん!」
そう。
2週間前から、私の警護をしてくれている沙江さんだった。
「感心したわ。他の子だったら稽古しないわ、きっと。」
「……そうですか?」
「周りに甘えない子は好きよ。」
「あ、ありがとうございます。」
やった♪
沙江さんに少し認めてもらえた♪
「それにしても、佐助からの報告がないわね…」
「え?佐助さんの仕事内容知ってるんですか?」
そしたら、沙江さんが意外!みたいな顔をした。
「あら、聞いてなかった?私と佐助は姉弟なのよ」
「うそっ!」
う~ん。言われればどこか似てる感じもする…(汗)
__ピュイっ
鷹の鳴き声がする。
大きく旋回して、沙江さんの腕に止まる。
「…噂をすれば本人が帰ってきたわ。」
「沙江さんっ佐助さんの所に行きますよ!」
木刀を縁側に置いて、小走りに佐助さんの元へ急いだ。