「僕」

電話



「もしもし」


受話器の向こうからする
細くて弱い可愛い声


僕は慌て名前を名乗る

そんな僕に君は
クスクス笑うんだ


僕がどれだけこの日を
待ったか知らないで



同じ苗字の僕ら
たんなる偶然だけど僕には運命

だからこの連絡網が回ってくるのをずっと待っていたんだ


落ち着け僕
いけるぞ僕

…やっぱり、無理だ僕!!


そしたら僕は君のこと構わずに電話を切っちゃったんだ


君に絶対嫌われる…









「よし、
シュミレーション終了だ」


そう言いながら指を受話器のボタンに向けた




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