友達≧彼女!?
ガタガタと震え出す体。


『羽鳥?…ソレ…』




はっとして教科書を閉じる。加藤君に見られた!?



『羽鳥さん何してるの?次の文読んで訳して。』



読めと言われても読めない。だって…黒塗りされてるんだもん。


教科書を開くことも出来ない。




『羽鳥さん?どうしたの!?真っ青よ!?誰か保健室に…』



『俺が一緒に行きます。』

そういって立ち上がった加藤君は、私の腕を掴み立ち上がらせる。



私はされるがまま、加藤君に引っ張られて教室を出た。




『歩ける?』



気遣ってくれる加藤君。
けれど答えられない。


一体誰がこんな事?


直樹に貸したのが私だって知っててやったんだよね?


腕を引かれて歩いてると、直樹のクラスが目に入った。



保健室へ行くには、直樹の教室の前を通らなくちゃ行けない。


ドアについてる窓からつい中を見てしまう。



「あ…」




直樹と目が合った。




こんな時にどうして、見ちゃったんだろう。


目を見開いた直樹を一瞬だけ見て、そのまま通過した。



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