友達≧彼女!?
私のクラスと直樹のクラスは端と端にある。


1番遠いクラス。



廊下にいる同級生の間をすりぬけて、直樹の教室へ急ぐ。



教室へたどり着き、中を覗き込む。



…いたっ!



全く人に教科書届けさせといて、アンタは何呑気に友達と話なんかしてるのよ!


途中まで取りに来るとかしなさいよっ!!




「直樹っ!!」



大きめの声で名前を呼ぶ。


私に気付くと笑ってた顔が一変、急に不機嫌な顔つきになり、私の元へやってくる。



『でかい声で呼ぶなよ。恥ずいじゃん。』



人に教科書借りて置きながらその態度!?


けど、言い合ってる時間もない。



「いたずら書きしないでよ!?消すの大変なんだから。じゃあ帰りにね!」



『あっおい!紗英!!』


走り出した私が振り返ると、直樹が片手を挙げて笑ってた。



『いつもサンキューな。』



ドキン!




「後でね!!」



私も馬鹿だな。あんなにいらついてたのに、直樹の笑顔ひとつでチャラに出来るくらい好きだもんな…。


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