友達≧彼女!?
急いで階段を駆け降りて、渡り廊下を走る。


クラスメイトの姿は見当たらない。
そして、階段を駆け上がり全速力で音楽室を目指す。


あっ!ヤバ…


目の前には音楽の先生が歩いている。



顔を伏せて追い越し、音楽室へ滑り込んだ。




同時に鳴る鐘の音。



間に合った!!



あがる息を押し殺して、教壇に上がる先生を見る。



『羽鳥さん。廊下は走らない。わかった?』



ばれてました?




「はい…すみません…」









はぁ…またやっちゃった…


いつもそう。
古典の後の音楽は必ずこうなる。
それも直樹が教科書を無くしたりするからいけないんだよ!














『紗英〜。お昼、どこで食べる?』



授業も終わり、教室へ戻った私に声をかける真理。



「天気もいいしさ、中庭は?」



『じゃあ、行こうか。』



お弁当を手に持ち、ふたりで中庭へ向かう。



『天気はいいけど、座る所ないね…どうする?』



中庭にあるベンチや花壇の段差に座る生徒たち。



座りやすい所は全て占領されていた。



『教室戻るのもめんどいし、体育館は?』



「そうだね。」



体育館へむかい、端の方でお弁当を食べていると、体育館へ遊びに来る男子生徒達。


バスケットボールを持ち、チームを決めて遊び始める。



「もうお昼食べ終わったんだね。食べてすぐなんて、よく動けるよね。」



『本当。あ、紗英の彼氏もきたんじゃない?』


入り口を指差す真理につられてその方向を見ると、確かにそこには直樹の姿。


数人で、体育館を覗きこみ、空いているスペースへ移動し始める。
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