友達≧彼女!?
『ボール持ってきたよぉ!!』




そこにバレーボールを手にやってきた数人の女の子。




その子達と輪を作り、トスし始めていた。




『紗〜英。顔!怖くなってるよ?やきもち?』



からかう様に聞いてくる真理。



「べ、別に!!」



本当はすごく妬いている。

女の子だけじゃない。男の子達に対してもだ。



直樹と私が唯一、一緒にいれる時間は登下校の時だけ。


それ以外は、クラスの離れた私達に繋がりはほとんどない。
古典の教科書を貸す以外は。



古典の教科書を無くしたと言った直樹に貸す様になって、それがいつしか定着。


毎回貸しに行くのも、返してもらいに行くのも私の方。


直樹が私のクラスに来た事なんて1度もない。


いつも私が行って、直樹を呼ぶ。
いつも不機嫌な顔して私の所へ来る。


そして、戻ろうとする私に笑ってサンキューって言う。



全部いつも一緒なんだ。


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