月夜の翡翠と貴方
その様子を見て笑うと、ラサバはこちらを向いて、私とルトを交互に見た。
「あの……お二人とも。お話ししたい事がありまして」
ラサバはスジュナに向こうで遊んでなさい、と言って、背中を押した。
スジュナは不思議そうにこちらを見ながら、あちこちを歩いて回る鳩の一匹へ近づいて行く。
それを見てから、ラサバはこちらをしっかりと見据えた。
「…今日、劇団の皆に、スジュナのことを話そうと思います」
その瞳は沈んでいるように見えたが、確かな決意も込められていた。
「それで…あの、凄く厚かましいとは思います。断って下さっても構いません。最後のお願いなのですが……」
「俺らも、説得手伝っていいか?」
ラサバが眉を下げ、言い終わる前に、ルトの言葉がそれを遮った。