月夜の翡翠と貴方


ラサバは顔を青ざめさせ、震える声で肯定した。

「………………………」

皆、スジュナの姿を見ている。

けれど、スジュナはその視線から逃げようとはしなかった。

ただ、受け止めていた。

…いや、耐えていた。

どう見ても、困惑と嫌悪の色を滲ませた視線に。


「……やっぱり、無理だわ」


ぽつり、と少女が呟く。

「ねぇ、兄さんと姉さんも、そう思わない」

少女が視線を送ったのは、黙ってスジュナを見ていた、他の役者勢だった。

「……………………………」

皆少女の視線と、スジュナの姿から逃れるように顔を背ける。

...こんな幼い少女に、容赦なく暴言を吐くのは、やはり気が引けるのだろう。

しかし押し黙っているのは、少女の言葉に同意しているも同じだ。


「………………悪いけど、兄さん」

少女は、まっすぐにラサバを見た。

ラサバは眉を下げ、顔を上げる。


「無理だわ」


...その一言は、あまりに残酷で。

スジュナとラサバの瞳が大きく揺れた。


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