月夜の翡翠と貴方
そんな、翌日の正午前。
私とルトは、東門の前で、ラサバとスジュナに見送りをしてもらっていた。
「じゃあ」
ルトがそう言うと、ラサバは「はい」と言って、一度こちらへ頭を下げた。
「…本当に、ありがとうございました。すべてあなた方がいて下さったお陰です…」
言いながら、眉を下げ涙ぐんでくるラサバに、思わず笑った。
すると、スジュナがとてとてとこちらへ歩み寄ってきた。
「おねえちゃん、おにいちゃん!本当に、ありがとうございました!」
ぺこ、と頭を下げる。
可愛らしい姿。
私はしゃがんでスジュナに目線を合わせると、にっこりと笑った。
「こちらこそ、ありがとう。これからも頑張って。元気でね」
「うん!」
愛おしい、太陽の笑顔。
また、見れて良かった。
「おにいちゃんも、ぬいぐるみありがとう」
スジュナはルトに買ってもらったぬいぐるみを、大事そうに抱えていた。
ルトは口の端を上げて、に、と笑う。
「ん。どーいたしまして。ラサバさんとも、劇団の人とも、仲良くな」
頑張る、とスジュナは明るく笑った。