月夜の翡翠と貴方


私の気持ちと、一緒に。


そうした変化に気づいたのは、ある夜の森の中で、野宿をしたときだった。


「よく笑うようになったな」


そう言って嬉しそうに笑った、ルトの顔。

そこでようやく気づいて、変な気分で戸惑った。

段々と、形を変えていく。

けれど、綺麗な形におさまらない。

そんな、変化の途中。






用事があるらしく、私達は街の中へ入った。

着いたのは、大勢の人で賑わう大きな町だった。


老若男女、様々な身分の人々が行き交う。

貴族らしき風貌の女、平民らしき子供、怪しげな雰囲気を漂わせる男。

建ち並ぶ店々は、高級そうな店から平民が集まる店まで、様々である。

このミューザという街は、どうやら商業に富んだ街らしかった。


「フード被れ」

そう言って、ルトが私の頭にフードを被せる。

「…この街は、賑わってるだけに色んな人間がいる。物騒だからな、お前は絶対悪目立ちするんだよ」

そう言ったルトを、フードから瞳を覗かせて見上げる。

少し前から目をそらせば、人にぶつかりそうになってしまった。


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