月夜の翡翠と貴方


これは、前にスジュナとラサバにも言ったごまかし方である。


「…結局、というと」


変に言葉を濁すと不自然なので、とりあえず質問を返してみる。

するとミラゼは変わらない美しい笑みを浮かべ、「答えるとまずいものだったらごめんなさいね」と前置きした。


「…新しい依頼の関係かしら?ジェイドちゃんはもしかして、私達と同業?」


「………え…」


…依頼? 同業…?

どういうことだ?

意味がわからないという顔をすると、ミラゼは「あら」と不思議そうな顔をした。

「ルトがなにしてるのか、知らないの?」

「…………?」

なにを、しているか?

「それは、職ということですか…?」

「ええ。あら、本当になにも知らないの?てことは、依頼関係じゃないの?」

私には、ミラゼの問いの意味がわからない。


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