月夜の翡翠と貴方


私はきっと、依頼のなかで必要なものなのだ。

そして、依頼が終わったら用なしとなるもの。

それにこの旅には、確実に終着点がある。

それが、もしルトが受けた依頼の、終着点だとしたら。

今、確信を持ってわかることは。


「……依頼が完了すれば…」


私は…捨てられる。

確実に。


今はまだわからない、どこかへ。

ルトのいない、どこかへ。





「………………ん」


目を覚ますと、知らない天井が見えた。

ここは…

起き上がって、自分が寝ていたのが寝台だとわかった。

少し、頭が痛い。


「……………あれ…」


ぼやけた視界で見えるのは、碧色。


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