月夜の翡翠と貴方
店員に金を渡すと、俺は店内の椅子に腰掛けた。
ふう、と息をつく。
....この感情を、どうにかしなければ。
あとで困ることになるのは、俺のほうだ。
余計な感情はいらない。
振り払え、見て見ぬ振りをしろ。
逃げない程度に優しくして、懐かれない程度に離れる。
そう、決めたはずなんだ。
なのに、なんであんな風に笑う。
「………………………」
...しっかりしろよ、俺。
これは………あくまで、仕事、なのだから。