月夜の翡翠と貴方
全て、誰かに売られて奴隷となった子供だ。
子供達を見ながら、青年は落胆した。
…ここは、子供しかいないのか。
念のため、顔を見ようと近づく。
しかし、子供達はびくびくと肩を震わせた。
その顔は、青年への恐怖の色で染まっている。
「あぁ……ごめん」
奴隷屋の子供達は、みな必ずと言っていいほど自分にこの顔を向けてくる。
…そんなに、大人が怖いのか。
この幼い子供達にどれ程の過去があるのかは知らないが、あんまりあからさまな怯えを向けられると、こちらが悲しくなってくる。