月夜の翡翠と貴方
不器用な、もう一度、抱きしめる腕に
ー…ねぇ、母様。
わたし…ご挨拶、ちゃんとできてる?
ー…ええ、とっても可愛らしいわ。
…本当?
もちろん。マリアはきっと将来、美しい女性になれるわね。
やったあ!
わたし、母様のような、立派なひとになりたいな。
…私のように?
うん。お優しくて、とても綺麗な…
…ありがとう。
見ていてね、母様。ずっと、わたしの近くにいてね。
わたし、きっと母様の誇りになるようなひとに、なるから。
そのときには…もっと綺麗に、ご挨拶ができるようになるね。
ー…ええ。ずっとマリアを、見ているわ。
*
「突然、申し訳ありません。ご無礼を承知で、ロディー様にお伝えしたいことがあって、参りました」