月夜の翡翠と貴方


そして、俺は叫ぶ。


「ジェイドは俺のなんだよ!これ以上手を出すな!」


もう、嘘か本当かもわからない。

いや、それを嘘にしたいのか、もう考えることさえも、面倒な程に。


いつも仏頂面で、なに考えてんのかよくわからない。

そのくせよく泣くし。

なのに時々笑って。

弱々しいとこもあって。

自分に自信がなさすぎるところは、どうかと思うけど。

…けど。


「ジェイドは……………っ」


はぁ、と息を吐く。

トン、とその場から飛び退く。

後ろへ着地すると、目を見開くレグートへ、舌を出した。


「お前らに渡すぐらいなら、俺が檻に閉じ込めてでも守るよ」


冗談か、本気か。


もう、わからなかった。






息が上がって、足がもつれて。


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