月夜の翡翠と貴方
…俺には、そんなことする資格さえないのに。
散々振り回して、期待させて、挙句これだ。
ジェイドも絶対、失望したに決まってる。
…優しくなんかない。
優しくなんかないよ、ジェイド。
俺はやっぱり…最低な奴、だよ。
*
夢を見た。
白い白い空間のなかで、ナタナと私が、一定の距離を持って、立っている。
立っている私は、姿こそ今の私だけれど、なんの感情もない、ただぼうっとしているだけの、無表情だった。
まるで、ナタナの屋敷にいた頃の、私のようで。
ナタナは、そんな私を、見つめていた。
あの頃のように、蔑んだ目で、優しく微笑みながら。