月夜の翡翠と貴方


これから、どうしようか。

きっとこれから、絶対にジェイドが頭から離れてくれないだろう。

日常全てが、つまらない。

けれど、隣にいるのが誰でもいいというわけでもないから、困るのだ。


ジェイドでなくては、落ち着かない。


隣にいていいと、思えない。

碧の髪を撫でて、白い頬に触れる。

腕の中に閉じ込めて、誰にも触れさせない。


…むしろ、本気で檻のなかに閉じ込めてしまいたいくらいだ。

鎖でつないで、俺だけその視界に映して。

ジェイドの全てを、俺だけにする。


そんな、だいぶ狂気的な考えが浮かんで、ため息をついたとき。



「やーっぱり、後悔してる」


知っている、女の声がした。

いや、知っている、なんてものじゃなくて。


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