月夜の翡翠と貴方


「外に出るよ」


え…?

扉らしきものが、キィイという音を立てて開く。

それと同時に、暗闇に慣れた目に光が襲ってきた。


ー…見えたのは、緑。


たくさんの、草花。

そして。


「脱出成功ー」


明るく笑う、ルトの、姿。


…ああ、本当に。

本当に、ルトだ…


「この屋敷の裏、沢山木があってさ。そこに紛れれば、見つからな…………」


ぎゅ、と。

気づけば、私はルトに背中から抱きついていた。



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