月夜の翡翠と貴方
とにかく、この男達をどうしようか。
周りがこの様子では、助けを叫んでも誰も来ないだろう。
普段の私だったら、面倒なので構わずついて行くだろうが、今はルトがいる。
私がいなくなっては、彼が困るのだ。
「いいじゃないか~、な?悪いようにはしないよ」
…なんて、陳腐な誘い文句だろう。
「……すみませんが、行けません」
早く、わかって欲しい。
なかなか引かない男達に苛ついていると、無遠慮に髪へ手が伸びてきた。
腰を折った男の顔が、目の前に迫る。
男の指に絡まる、私の碧色。