月夜の翡翠と貴方
ルトの後ろから現れた私を、スジュナは目をまんまるくして見つめた。
「……おねえちゃん……きれい……」
その碧眼は、私の髪と顔を交互に見つめている。
その表情と言葉はとても純粋で、やましいことなど全く含んでいなくて。
「…………ありがとう」
私は小さく微笑むと、スジュナの前にしゃがんだ。
「…おま、俺が朝同じこと言っても、ニコリともしなかったじゃん」
隣のルトが、批難の目を向けてくる。
「……子供は、好きだから」
「……そうですか」
子供は、純粋だ。
気の向くままに行動する。
ずるいことは考えても、やましいことは考えない。
私は優しい声で、スジュナに声をかけた。
「スジュナちゃん…のお家は、この街にあるの?」
「…………うん」
「じゃあ、そのお家の場所覚えてる?お姉ちゃんたちに教えられる?」
「うん」