月夜の翡翠と貴方
「よかった。お家まで一緒に行ってあげる」
「………!うん!ありがとう!」
スジュナの顔が、ぱあっと明るくなった。
目一杯の笑顔。
金髪に映えて、まるで太陽のようだ。
心が和んで、私も自然と笑みがこぼれる。
…しかし、私ひとりの判断で、旅を中断するわけにはいかない。
「ね、ルト…………」
隣のルトを見ると、呆けた顔でこちらを見ていた。
「…ルト?」
「…え、あ、あぁ!うん、この子家まで送るんだよな、いいよ。行こうか」
…なにか、様子がおかしい。
誤魔化すように、ルトはさっと立ち上がった。
続いて私も立ち上がり、スジュナの手を引く。
広場の人々がちらちらと様子を伺ってくるのを感じながら、私達は公園を出た。