白銀色の亡霊
 気のせいかもしれないと思い、僕はテレビの方を向いた。


 ……でも、またするんだ。


 また感じるんだ。


 誰かの視線を。


 誰かの気配を。


 僕は再び左を向いてその視線や気配の正体を確かめようとしたけれど、やっぱり僅かにベッドが見えるだけで誰もいない。


 疲れているのかな?


 気にしすぎなだけなのかな?


 僕はそう思って再びテレビの方を向いた。


 けどね。


 やっぱりするんだよ。


 感じるんだよ。


 視線と、気配。
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