白銀色の亡霊
 もういい加減にしてくれよ。


 誰にとは言わずに僕は心の中でそう思った。


 面倒臭いと感じながらも、僕は父さんの部屋を見る。


 いない。


 誰もいない。


 やっぱりただの気のせいか。

 やっぱりただの思い込みか。


 僕は小さく溜め息を吐いてからテレビの方を向いた後、すぐに父さんの部屋を見た。


 有無を言わさないように、視線や気配を感じる前に、素早く父さんの部屋を見た。
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