白銀色の亡霊
 それとも、僕らが今いる部屋の光のことを言っているのか?


 今までそんな女性は見なかったのに、部屋の光をどうしたら女性と見間違うんだ?


 それに、あの視線は?


 あの気配は?


 ……。


 勘違いや気のせいじゃ、ない。


 僕は確かにハッキリと見た。


 僕は母さんに必死に説明したけれど、やっぱり真剣に取り合ってくれなかった。


 そこで僕は、僕が見た女性が何者なのかを考えた。


 真っ先に思い浮かんだ可能性は、父さんに憑いていた霊だということ。


 じゃなければ、父さんの部屋にいるはずがない。
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