年上の彼と年下の元カレ
「遅かったね。」
「ああ。」
「所長といとこだったんだ。」
「ああ。みんなには内緒なんだけどな」
だから『渡辺くん』って呼んで、あつしも『所長』なのか。
「あのね」
話しかけると、パソコンを打ちながら
「静かにしてくれない?」
と、冷めた目をして言った。
「何か…怒ってる?」
「普通怒るんじゃない?」
「えっ?」
「彼女が襲われそうになってんのを見たら。それに抵抗しようとしないなんて。」
「だって…怖くてどうしていいか(>_<)
わかんなかったんだもん。」
「じゃ、お前はどうしていいか解らなかったら、襲われるの?」