命の花~神様、もう少しだけ~
先生は首を振った。

「赤ちゃんの成長とともに、

癌も進行しているんです」


「・・・」

要は言葉を失っていた。

・・・

私の目からは、

涙が落ちていた。


「ここで、赤ちゃんを諦めて、

治療に専念するか、

それとも、妊娠続行して、

産んでから、治療を始めるか。

もう、猶予はありません」


「要・・・黙っててゴメン。

でも、私は産みたい。

要の子供を、・・・」


私は、要を見つめた。
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