命の花~神様、もう少しだけ~
仕事の帰りに、

自転車とぶつかった私は、

足に大きなケガをした。


自転車の人は、慌てて逃げていくし、

辺りに人通りはなく、

病院に行こうにも、

ケガが痛んで歩けそうにない・・・


そんな時だった。

一人の男の人が、

私の前に駆け寄ってきた。



「大丈夫ですか?」


「はい・・・あ」


要と私は同じ会社に勤めていた。

でも、

喋ったことなんて、1度もなかった。

「酷いケガだな」

要は、ダラダラと流れる血を、

気にすることなく、

私をおぶった。
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