命の花~神様、もう少しだけ~
「あの、歩けますから」

「この足で?」

「・・・」


「近くの病院までですから、

恥ずかしいだろうけど、

このまま行きますよ?」


「…お願いします」


ついた頃には、

綺麗なスーツに、血がベットリ・・・


手当てをした私が出ていくと、

要は安堵のため息をついた。


「ありがとうございました・・・

あの、スーツが汚れましたね。

弁償しなくちゃ」


申し訳なく思ってそう言うと、


「気にしなくていいよ。それより、

歩いて帰れそうにないみたいだし、

送っていくよ?」


優しい口調で要が言った。

・・・なんて、

優しい人なんだろう。
< 5 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop