秘密 ~わたしとあなたの~
タイミング悪く蓮の携帯が音をたてた。
「蓮…帰ってるの?」
パタパタとスリッパの音が近づいてくるのが分かる。
がちゃり・・・
「あ、ただい…ま」
うまく口がまわらないっ。落ち着け、落ち着け。
「おかあさん、なにしてたの?」
やばっ!こんなことを聞くつもりはなかったのに。
あ~もうっ!!
「なにって…まぁいろいろよ?さぁ、中に入んなさい?」
「誰かいるんだよね?」
「え、えぇ…まぁ」
おかあさんがオドオドしているのが分かった。誰連れ込んでんのよ!!
「パパに言うから」
「ちょ、それだけはっ!それだけはやめてぇ!!」
みっともない姿だよ…娘にすがりつく親なんてっ。
「ランさん?」
そう言いながら出てきた男にあたしはあとずさりしてしまった。
うちの学校の学年主任だったから。