フェイス
「てめぇら、人を何だと思ってやがる?」

「生徒会長とは名ばかりで肝心な時に全く役に立たないエロ大魔神」


 時永は渋い顔をしたけれど、私は容赦しなかった。

 だって、嘘を言うわけじゃない。


「いい度胸だ、永添」


 むしろ、私には度胸がない。

 この時永を美化して崇拝するような度胸は。


「つーか、何の用だよ? こんなとこまでわざわざ来やがって」


 春平はいかにも面倒臭げに問うた。

 あまりに不躾だけど、いつものこと。


 すると、時永はポケットを何やらゴソゴソと漁り始めた。
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