フェイス
「ふざけんじゃねぇ!」


 止めなければ、そう思ったのに、私が動くより前に彼が動いていた。


「ってぇ……」


 彼女は私にした時と同じように彼の胸倉を掴んだ。

 けれど、違ったのは彼女の身体が床に叩きつけられたこと。

 見て、わかった。

 彼は護身術を知っている。


「まだ、やりますか?」


 それは穏やかながら、牽制していた。

 そして、彼女達はそのまま去っていった。

 何だかまた次がありそうだけど。
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