フェイス
「お前、最近、変わったこととかねぇか?」


 急に春平が聞いてきた。

 “斎藤五人衆”とか“女ヤンキートリオ”とか……

 まあ、変わった人達とは会ったけど、わざわざ話す必要もないと思う。

 多分、あの男には何もしないし、あっちには案外頼りになる智也先輩がいる。


「大したことはないわよ」


 嘘は吐いていない。

 真実でもないけれど。


「そっちこそ、ストリップの準備は進んでるの?」


 智也先輩も春平も、古葉君も何を考えているかわからない。

 それでも、待つしかできないならば、私は笑っているしかない。


「まあ、な」


 春平は苦笑いした。

 誰も春平の裸なんて見たくないと思うけれど。
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