フェイス
「親切に口で言っても無駄ね」

「チッ……やっちまいな!」


 斎藤先輩が失望したように言って、女ヤンキーが舌打ちをしたから後ろに向かって叫んだ。

 ぞろぞろと出て来たのは不良さん達。

 ちょっと見覚えがある顔もあったりして。


「先輩方、まだ、懲りてなかったんですか? 一人ならどうにかなるとでも?」


 あっと言う間に囲まれる中、私は溜め息を吐く。

 いかにも女ヤンキーのお仲間さんみたいな人達の中に混ざるのは前に制裁した先輩方。

 今日は安全第一とか書いてあるヘルメットを被ってる。

 木刀とか金属バットとか鉄パイプとか構えたりして重装備。


「こ、こ、この前の俺達とは違うぜ!」


 何だか震えてるけど。
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