フェイス
「時永君にあんたは相応しくないの」

「だったら、あなた達は相応しいんですか?」


 変なことを言うから問いかけたら斎藤先輩達は顔を見合わせた。

 私よりは可能性があるとでも思っているのか。


「てめぇにはあのワンコがいるだろ」


 それは多分、春平のこと。

 みんなが“不良王子”を犬扱いする。

 それで無事でいられるのは私と時永と智也先輩だけ。

 だって、それは地雷。

 この場にいれば助けてもらえたかもしれないけど。


 残念なことに私に対しての“忠犬春公”じゃないから見つけてはくれない。

 助けられても物凄く悔しいけれど。
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