フェイス
「まりちゃん、今度駅前の喫茶店で何でも好きなの奢ってあげる」

「金魚鉢のパフェのある?」


 まりちゃんはぱちぱちと瞬きして、ずいっと顔を近付けてきた。

 私は頷く。


「本当に本当?」

「本当よね? 春平」

「俺もかよ? まあ、一度ぐらいは見てやってもいいか」


 春平は興味無さそうなフリをしてる。

 けど、本当はそういうのが好きなことを私は知っている。

 本人の名誉のために黙っておくけど。


「やった! じゃあ、絶対、誰にも言わない! 約束だよ!」


 これで完全に口を封じたとは言えないけど……
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