フェイス
「上辺だけだろ」


 春平は吐き捨てる。


「ぶっちぃ、それは僻みだよ!」


 まりちゃんんはビシッと言った。


「僻んでねぇよ! 誰があんな奴、羨ましいかっての!」


 否定する春平。

 でも、ちょっと羨ましがっているのを私は知っている。


「日夜“桃源郷”で執務をこなし、生徒の安全を……!」


 まりちゃんは完全にあの男の信者。

 でも、他の時永信者と一緒にしてはいけない。

 多分、特撮のヒーローとかと同じレベルに思っている。

 ううん、間違いなく。


「守ってない」

「守ってねぇよ」


 不本意にも私と春平の声がハモる。
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