フェイス
「ねぇ、永添さん、生徒会辞めたのに、相変わらず時永君に付き纏ってるんですって?」


 真ん中の女が言った。

 さっきのが誰かに見られていたのか。

 むしろ、あれは私が付き纏われているととってほしいのだけど。


「付き纏っているなんてとんでもない。先輩方と一緒にされると胃が激しく痛みます」

「なんですって!?」


 こういう人達は今までに何人も見てきている。

 自分達のことは棚にあげる種の人間だ。

 付き纏うなと言いながら、自分達は平気で付き纏う。
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