フェイス
「自分が特別だとでも思ってるの!?」

「仕方ないじゃないですか、実際、特殊な位置付けであったことは否定できないんですから」


 だって、私は時永の従者。

 その道を選んだ以上、ただの知り合いなどではない。

 特別だったなら、そう夢見たのは無知な頃、昔話。

 私は要らない、邪魔者。

 特別な、邪魔者。


「何よ、あんた、何なのよ!」

「私は私です」


 どう答えろと言うのか。

 ふざけているととられたらしい。

 私は至って真面目のつもりだったのに。

 まったく、不本意。
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