終わらない夏を。
「それにしても。あんた本当に剣道だけの為にここ来たわけ?」
同じクラスで、唯一の女子一年生。
東雲 飛鳥ちゃん。
「うん。だってそれ以外やる事ないんだもん。」
「あんたねぇ…。」
三歳の頃、おじいちゃんが指導している道場に行ったのが始まり。
剣道は礼に始まり礼に終わる。
それが好きで
特に辞める理由もなく、12年間やってきたわけだ。
「もっとなんかこう…恋愛とかしないわけ!?」
「汗くさくて近寄ってくれないよー。」
なんて言って、私は素振りを始める。