雪男のぬくもり探し


体を差し出す

この人に私の体を



「...はぁ?」



いや、待て
待つんだ私。

うまく頭が働かない場合じゃない



「あんた、なにを..」

「ん?どうした杏乃」



さっきまで騒いでいた梓や
ざわついていた教室が
いっせいに静まりかえる



「まさか、約束を忘れたのか?」

「やく、そく..」

「あぁ」



頭の中で走馬灯のように
記憶が駆け巡る

長身男、長身男...



「...」

「忘れたのか」

「ちょ、ちょっと待って!
私にあんたみたいな長身男の知り合いはいないの
人違いよ!」

「人違い?」

「そう、だからさっさと離しt」


< 9 / 12 >

この作品をシェア

pagetop