雪男のぬくもり探し
体を差し出す
この人に私の体を
「...はぁ?」
いや、待て
待つんだ私。
うまく頭が働かない場合じゃない
「あんた、なにを..」
「ん?どうした杏乃」
さっきまで騒いでいた梓や
ざわついていた教室が
いっせいに静まりかえる
「まさか、約束を忘れたのか?」
「やく、そく..」
「あぁ」
頭の中で走馬灯のように
記憶が駆け巡る
長身男、長身男...
「...」
「忘れたのか」
「ちょ、ちょっと待って!
私にあんたみたいな長身男の知り合いはいないの
人違いよ!」
「人違い?」
「そう、だからさっさと離しt」