クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
”欲”は人の知恵や心を育てるのに、なくてはなりません。
けれど多すぎる”欲”は、人の心を歪めてしまうのです。
誰が鱗の持ち主になるのかを巡って、人々は争うようになりました。
やがて地上の争いが神様の目に留まり、それが竜の鱗のせいだと知られてしまいました。
言いつけを守らなかった竜を、神様は大層怒りました。
「そんなに地上に降りたいなら、ずっと地上にいるがいい」
そう言って神様は、竜が二度と人に余計な力を与えないよう、竜の力を封じました。
力を封じるため、竜はその身を八つに裂かれ、頭は一番大きな大陸の小高い丘の上に埋められ、残る七つの身体は大陸を取り囲むように、七ヶ所に鎖で繋ぎ止められました。
竜は泣いて許しを請いましたが、神様は決して許す事はありませんでした。
竜によって”欲”を呼び覚まされた人は、めまぐるしい早さで成長しましたが、その身から争う心が決して消える事はなかったからです。
今でも竜は、身体を大地に繋ぎ止める鎖を引き千切ろうと、天に向かって時々、その青白い身体を真っ直ぐに伸ばしているのでした。
おしまい。
けれど多すぎる”欲”は、人の心を歪めてしまうのです。
誰が鱗の持ち主になるのかを巡って、人々は争うようになりました。
やがて地上の争いが神様の目に留まり、それが竜の鱗のせいだと知られてしまいました。
言いつけを守らなかった竜を、神様は大層怒りました。
「そんなに地上に降りたいなら、ずっと地上にいるがいい」
そう言って神様は、竜が二度と人に余計な力を与えないよう、竜の力を封じました。
力を封じるため、竜はその身を八つに裂かれ、頭は一番大きな大陸の小高い丘の上に埋められ、残る七つの身体は大陸を取り囲むように、七ヶ所に鎖で繋ぎ止められました。
竜は泣いて許しを請いましたが、神様は決して許す事はありませんでした。
竜によって”欲”を呼び覚まされた人は、めまぐるしい早さで成長しましたが、その身から争う心が決して消える事はなかったからです。
今でも竜は、身体を大地に繋ぎ止める鎖を引き千切ろうと、天に向かって時々、その青白い身体を真っ直ぐに伸ばしているのでした。
おしまい。