クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
「発掘はオレの得意分野だからな。おまえたちが来なけりゃ、箱に放り込もうと思ってたのに」


 少しの間二人は睨み合っていたが、ブラーヌの元に他のスタッフがやって来て声をかけた。


「おっと、そろそろ時間らしい。じゃあな。願いが叶うように祈ってろ」


 そう言ってブラーヌは、他のスタッフと共に、箱を抱えて遺跡の中に姿を消した。


「どうして昔のお願い事が家にあったの?」


 結衣が尋ねると、ロイドは気まずそうに顔を背けた。


「祭りの日にブラーヌがいなかったんだろう。昔はひとりで遺跡に行くのが怖かったんだ」


 ロイドは記憶にない幼い頃、遺跡で心細い思いをしている。
 それで遺跡が怖かったのだろう。

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