クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 結衣が笑顔で挨拶をすると、ブラーヌは苦笑しながら頭をかいた。


「いらっしゃいは変だったな。これからはずっとここで暮らすわけだし。ようこそが正しかったか」


 長い間、実質的には一人暮らしだったブラーヌは、結衣がやって来た事に少し戸惑っているようだ。
 照れくさそうに頭をかく姿が、なんだか微笑ましかった。

 一階はこれまでと、ほとんど変わっていない。
 ロイドが王宮に住むようになって物置と化した後、開かずの間になっていた二階を大幅に改装したらしい。

 以前は古代の遺物で階段が塞がれていたので、結衣は元々の二階の様子を知らない。

 ブラーヌは翌日から、また王宮地下にこもるので、その準備のために席を外した。
< 180 / 230 >

この作品をシェア

pagetop